2025年11月 オムライス事件
その日のご本山は、全国から念仏奉仕団の方々がお参りされていて
にぎわっていました。
ご本山のおあさじでは、5分の法話があります。
特に印象に残った法話の中で、オムライスの例話が紹介されていました。
少しうろ覚えですが、ある男性の話です。
生まれた時から、実家が貧乏。両親が離婚。さらに貧乏のどん底。
学校もロクに行かなくなった。中学卒業と同時に働きに出た。
2~3年経った頃、街で偶然、幼なじみと遭った。意気投合して
「一緒に飯、食べに行こう。」ということになった。
入ったレストランのメニュー。
漢字が読めない。
読めたのは、オムライスと、ごはんだけ。
店員が来て
幼なじみ:「俺、焼きそばと、ごはんね。」
俺:「オムライスと、ごはんで。」
店員は、けげんそうな顔をして、少し笑った。
幼なじみ:「あ!俺、やっぱ、さっきのキャンセル。
俺もオムライスと、ごはんね。」
店を出た時、幼なじみが言った。
「オムライス、旨かったな。」
そいつとは、今も友達。
ここで、法話は終了。
おあさじ終わった後、モンモンして、しんぽちに聞いた。
「今日の法話、阿弥陀さんの救いが、物凄かったけど、
こんなに全国から門徒さんが来てて、一切説明なしで法話しめて
大丈夫なんかね?」と。すると、
しんぽち「あー、大丈夫。分かんなきゃ、皆、一緒に来てる住職に
聞けば教えてくれるから。布教使さんは、それも計算のうちだよ。」
と言いなさった。
「マジでっ?!」お聴聞は、奥が深い。全員巻き込まれるのだ。
そして、教師教修出願資格試験で事件は起きた。
勤式作法実演の試験。
同じ班の方が「間違えました。もう一度やらせてください。」と、
おっしゃられた声明の課題があった。
私の胸の内では、1年前から先請伽陀(ぜんしょうかだ)の『ぜ』は、
『ぜ』んいんで試験合格するぞ!の『ぜ』と決めていた。
班の方がやり直しの最中も、御文が出てくるか心配し、
「がんばれー!」と心の中で応援していた。
さー、自分の番。指定されたご和讃は、いつものハカセ。
なぜか、頭が真っ白。見切り発車した声に、間違った箇所が客観的に分かる。
気が付くと、私「もう一度、お願いします。」と言っていた。


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